叢生（乱杭歯　八重歯)

叢生（乱杭歯・八重歯)の特徴や、悪影響があるのかどうか、治療方法などについてまとめています。

叢生（乱杭歯・八重歯)とは

叢生（乱杭歯・八重歯)とは、顎と歯の大きさのアンバランスによって、歯が重なり合うように前後左右にずれている状態のことで、不揃いなアーチ状の歯列のことを指しています。歯科では叢生（そうせい）と呼ばれ、中でも、上の前歯の犬歯が突出している状態を八重歯、下の犬歯が出すぎている状態を鬼歯、ということもあります。歯と顎のサイズのバランスの問題以外にも、乳歯の脱落や、永久歯が生えて来る時期、顎骨の発育不足など、叢生は様々な原因によって引き起こされます。また、乱杭歯を放置すると、虫歯や歯周病にかかりやすくなりますので、できるだけ早期での、歯列矯正による改善をおすすめします。

叢生（乱杭歯・八重歯)の原因

叢生（乱杭歯・八重歯)の原因は、顎と歯の大きさのアンバランスな関係にあります。顎が小さいことに対して歯が大きい場合、歯が正しく並ぶために必要なスペースがなくなってしまい、歯並びがでこぼこになってしまうのです。また、乳歯が早期に抜けてしまった場合にも、その抜けてしまった空間に左右の歯が移動し、生えて来る永久歯のスペースを奪ってしまうケースもありますので、早期での治療が望ましいと言えます。

叢生（乱杭歯・八重歯)による悪影響

叢生（乱杭歯・八重歯))の状態は、口が閉じづらくなることで口呼吸になり、そうすることで口が乾燥しますので風邪をひきやすくなったり、発音や食事の際に、空気や水がぬけてしまい、機能性に問題が発生します。また、歯ブラシが効率よく当たらないため歯垢が取り除きにくく、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなってしまいます。歯垢は、歯間や歯と歯肉の境目に入り込むため、歯ブラシが行き届かずに磨き残しが出て来ますし、その繰り返しで虫歯や歯周病リスクが高まります。さらに、歯並びが悪いことで、顎関節症や頭痛、肩こり、めまい、耳鳴りなど、体の不調を引き起こす原因にもなります。

人の印象は、第一印象と笑顔が大事と昔から言われていますが、特に近年、見た目が9～10割を占めるとされるようになりました。こうした現代社会の見た目重視の傾向は、普段の人間関係はもちろん、仕事上の対人関係のやりとりにおいても非常に重要です。こうした中、多くの方が歯科矯正治療を受けている現状があり、叢生を放置しておくことは、見た目の印象が下がってしまうデメリットもありますし、なぜ治そうとしないのかという疑問を持たれてしまうこともあります。

また、叢生の状態で虫歯になってしまった場合は、治療がしにくいという悪影響もあります。普通なら簡単に行える治療でも、叢生の場合は詰め物や差し歯などを悪い歯並びに合わせて作らなければいけませんし、どうしても虫歯治療がやりにくい場合は、抜歯しなければならなくなるケースも発生します。また、叢生のまま放置していると、口が閉じにくくなったり、顔が歪んでしまうこともあります。

叢生（乱杭歯・八重歯)の治療方法

叢生の原因はいくつかありますが、一つ言えることは、小児期に矯正治療を開始するメリットは非常に大きいということです。叢生は歯が顎の上に並ぶスペースが足りないことにより起こりる症状ですので、先天的な要因の場合の治療方法としては、足りないスペースをいかに作り出すかという点です。子供に効果的な側方拡大や、子供、大人に関係なく効果的なIPR、臼歯部遠心移動などがありますが、側方拡大は大人になるとあまり効果がない方法です。小児期の側方拡大は、急速拡大装置適応の症例の場合は側方10㎜以上の拡大が可能ですが、大人の場合は1～3㎜程度しか拡大できないのです。つまり、大人になるとこの要因に対する治療法はかなり限定的になってしまいますので、早期治療をおすすめするのはそこにあります。

後天的な要因に対しては、子供の時期の虫歯が原因で歯が早くに抜けてしまった場合は歯が並ぶスペースが減ってしまわないように保隙装置を使用しますし、悪い癖などによる後天的な要因に対しては、MFT（口腔筋機能療法）・様々な習癖除去装置を使って治療を行います。

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