iTero（アイテロ）とは？矯正治療の特徴やメリット・デメリット、費用などをまとめて紹介

歯並び矯正では、自分に合った治療法を選択することが何よりも重要です。ここでは歯並び治療の中でも歯形採取に用いられるiTero という技術に関して、治療の特徴やメリット、費用、治療期間、どんな人に適した治療法なのかなどをまとめて紹介します。歯並び改善治療を検討している方は参考にしてください。

iTero（アイテロ）とは

口腔内の歯形を正確に取れる3D光学スキャナー

iTeroは、患者の口腔内をデジタルスキャンすることで簡単に正確な歯形を取れる機械です。従来の歯科治療現場では、シリコンなどのドロドロとした材料を口に含み、材料が固まるまで待つのが主な歯形採取方法でした。この方法では、歯形が取れるまでの数分間じっとしていなければならず、うまく歯形が取れなければやり直しのリスクもありました。

こういった懸念点を改善し、簡単かつスピーティに歯形を取るための方法として治療現場で注目を集めています。

40万件以上の実績あり

iTeroはこれまで40万件以上の膨大な使用実績があり、シリコンを使った従来の歯形採取に比べてフィッティングに関するトラブルの発生件数が1/7にまで減少したと報告されています。正確に歯形が取れるということは、それだけマウスピースを装着したときに違和感を感じないことを意味しており、患者が快適にマウスピース矯正を続けるために重要な役割を果たしています。

医療情報の効率的な保管・共有にも貢献

iTeroの強みは型取りの正確さだけでなく、採取した情報の保管や共有のしやすさにもあります。従来は石膏模型を使って患者の歯列情報を保管していましたが、この保管方法には破損リスクが高く、保管場所も確保しなければならないため非常に不便でした。

iTeroを使えば、採取した歯列情報を保管するうえで場所を取ることもなく、破損や紛失のリスクもありません。離れた医療機関とのデータ共有も容易になり、さらなる医療技術の発展に大いに貢献しています。

iTeroのメリット・デメリット

メリット：非常に正確な型取りが可能で、嘔吐反射がある患者でも安心

iTeroは光学レーザーを用いて患者の口腔内を3Dスキャンするため、従来の歯形採取方法と比べてはるかに精密な歯形を取ることが可能です。加えて、シリコンと違って非接触のまま患者の歯形を解析できるため、嘔吐反射が強い患者でも快適に使用できます。型取り時にシリコンが口の周りに付着してベタベタと残ることもありません。

クリニックと患者の双方にとってメリットの大きいiTeroは、デンタルクリニック業界における大きな技術革新といえます。

デメリット：導入しているクリニックが少ない

メリットが目白押しのiTeroですが、唯一のデメリットとしては導入クリニック数の少なさが挙げられます。なにしろiTeroは業界的にまだ新しい機械であるため、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正治療を提供しているクリニックだからといって必ず設備されているわけではありません。自分が通うクリニックがiTeroを導入しているかどうかは、初来院の前にあらかじめ公式サイトなどで確認しておくとよいでしょう。

嘔吐反応が強い人にはiTeroがおすすめ

患者にとってiTeroを使う最大のメリットは、嘔吐反応が起きない点です。シリコンをつかった従来の歯形取りでは、ドロドロしたシリコンを口に含んで数分間じっとしておかなければならないため、その異物感にから吐き気を催すことも珍しくありません。そういった方法が苦手な人は、iTeroの3Dスキャンを用いて歯形を取ることで嫌な思いをすることなく治療を進められます。

iTeroを使ったデジタルスキャンの詳細

費用

iTeroを用いたデジタルスキャンは、矯正治療前の精密検査の一環として実施されるケースがほとんどです。精密検査にかかる料金はクリニックによって差があるため、「iTeroを使った治療は〇〇円」と一概に断言することは困難です。

参考までに、iTeroを導入していて精密検査料金を公表しているクリニックを調べたところ、検査料は3万円前後に設定されているケースが多いようです。

治療期間

iTeroは１秒間あたりおよそ6000枚もの画像を撮影可能で、上下全ての歯形をスキャンするのも1分程度しかかかりません。スキャンした歯形データはすぐにクリニックのコンピュータへと転送され、デスクトップ上で確認できるため、スピーディにマウスピースの設計・製作を開始できます。

これによって、従来の矯正治療に比べてiTeroを用いた治療方法であれば治療開始までの所要時間を10日以上も短縮できたと言われています。

適応できる症状の多さ

iTeroはマウスピース矯正の他に、歯の裏側をワイヤーで固定することで目立ちにくくする舌側矯正の治療器具の製作にも役立てられています。現時点では、iTeroを用いて舌側矯正装置を作るシステムはまだ開発されていませんが、クリニックの中には歯科技工所と協力して技術開発に注力しているケースも存在します。将来的にはiTeroのデジタルスキャン技術が舌側矯正にも活用されるようになるでしょう。

新宿で矯正歯科を探している方に、ここでは、マウスピース矯正が可能で土日診療ができ、デンタルローンを導入している矯正治療に適した厳選クリニックを3院を紹介します。（2021年3月時点）