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歯列矯正でいびきは解消できる?

原因不明のいびきに悩まされている人はいませんか。そのいびき、もしかしたら歯並びが原因かもしれません。

ここでは、いびきの仕組みについて触れつつ、歯列矯正でいびきが解消できる場合があることをまとめました。

いびきの原因のひとつは「顎の小ささ」

歯並びの悪さといびきは、どちらも顎の小ささが原因で引き起こされている可能性があります。

まず、歯並びの悪さについて。子どもの頃に硬い食べ物をよく噛んで食べる習慣が無かった人は、顎の筋肉があまり発達せず小さいままのことが多いです。その小さい顎の中に全ての永久歯を生えさせようとすると、どうしても無理矢理になってしまうため、歯並びが悪くなってしまうのです。

同じように、いびきも、顎が小さいことによって起こっている可能性があります。通常、人間の舌は上顎にくっついています。顎が大きく発達している人の場合、舌をくっつけておくスペースは十分に確保されているでしょう。しかし、顎が小さくて歯並びが悪い人の場合、舌をくっつけるスペースがきちんと確保できないため、舌は奥に引っ込んでしまいます。その状態から仰向けになって寝ると、さらに舌は自然と奥のほうへ下がってしまいます。

いびきは、呼吸のための気道が狭くなってしまうことが原因で起こっています。今回のケースでは、舌が喉のほうへ下がっていき気道をふさぐことによって、いびきが起こっている可能性がある、というわけです。

矯正でいびきが改善する可能性がある

上記で説明したように、顎が小さく歯並びが悪いせいで舌が引っ込んでしまい、それによっていびきが起こってしまうことがあります。このようないびきは、歯列矯正によって顎を大きくし歯並びをよくすると、改善されるのではないかと考えられます。

いびきが起こる仕組み

わたしたちは普段、喉の奥の気道に空気を通すことで呼吸を行っています。この気道が狭くなると、空気が通るときに乱れて音を発します。これがいびきの元となる音です。

気道が狭くなってしまう原因はいくつかあります。ここからは原因ごとに分けて、気道が狭くなる仕組みを解説していきます。

熟睡しているとき

人間は、起きているときは自然と喉咽頭の筋肉を使っています。しかし、熟睡しているときはその筋肉が緩んで喉を狭めます。その結果、いびきが起こってしまうというわけです。

肥満の場合

太ってしまい首周りに脂肪がつくと、その脂肪が喉を圧迫し、気道を狭めます。太った人がいびきをかきやすいのは、このような理由があるためです。

喉が腫れているとき

風邪や何らかの病気が原因で喉の奥が腫れている場合、その腫れが気道を圧迫し気道を狭め、その結果いびきが起こることがあります。

顎が小さい場合

顎が小さいと舌を置いておくスペースが足りず、舌が後ろに引っ込んでしまいます。寝ているときにはその舌がさらに奥に引っ込み、気道を塞ぐことでいびきが起こります。

口呼吸で寝ている場合

鼻詰まりなどが原因で寝ているときに口呼吸だと、口が開いたままになります。口を開けていると、舌は奥に引っ込みやすくなります。すると舌が気道を塞ぎ、いびきが起こるというわけです。

いびきのリスク

いびきは、健康面や精神面にさまざまな問題を引き起こします。ここからは、いびきのリスクについて解説していきます。

睡眠の質を下げる

いびきをかいているのは、気道が狭くなっているときです。気道が狭いということは、十分に呼吸ができていない状態であるということ。体内にしっかり酸素を取り込むことができていないため、長時間寝ても頭がすっきりせず、昼間、急激な眠気に襲われてしまいます。

このような状態が長く続くと、集中力が下がり忘れっぽくなったり、高血圧症、心疾患といった病気を引き起こしてしまったりする可能性もあります。

周囲の人の迷惑になる

いびきは、自身の健康だけではなく、周囲の迷惑にもなります。

同居している家族のいびきの音がうるさいせいで眠れず、寝不足やストレスで体調を崩してしまう場合があります。また、いびきが原因で同じ部屋で寝ることを拒否されてしまい、夫婦の関係がうまくいかなくなる可能性もあるのです。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群の定義

寝ているときに、一時的に呼吸が止まった状態になる人がいます。7時間寝ている間に10秒以上無呼吸になることが30回以上ある場合、または1時間寝ている間に無呼吸や低呼吸が5回以上起こる場合、これらを睡眠時無呼吸症候群と呼びます。

睡眠時無呼吸症候群が起こる仕組み

いびきは何らかの原因で気道が狭くなってしまうことにより起こります。その気道がさらに狭くなり、一時的に閉鎖してしまうことがあります。このとき、空気の通り道は完全に閉まっているため、呼吸は止まった状態になっています。この状態が繰り返されるのが、睡眠時無呼吸症候群です。

睡眠時無呼吸症候群になると、呼吸が止まるたびに酸欠で目覚めてしまうため、深い眠りをとることがほぼできなくなります。十分に寝ているはずなのに強い眠気を感じたり、夜中何度も目覚めてしまったりする人は、睡眠時無呼吸症候群を疑ったほうがいいかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

睡眠時無呼吸症候群は、命の危険があるため、早急に治療することが求められます。「スリープスプリント」と呼ばれるマウスピースを着用して気道を確保する方法や、矯正によって小さい顎を広げる方法などがあります。

まとめ

いびきの原因はさまざまですが、人によっては顎の小ささが原因でいびきをかいている可能性があります。つまり、歯列矯正によって顎を大きくし歯並びを治すことで、いびきを解消できる場合もある、ということです。

いびきは睡眠の質を下げ、周りに迷惑をかけるやっかいなもの。「たかがいびきで…」とあなどっているうちに睡眠時無呼吸症候群にまで進行してしまい、命の危険にさらされることもあります。

あなたが今いびきで悩んでおり、その原因が歯並びかもしれないと感じたならば、すぐに矯正歯科に相談してみてください。

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