交叉咬合（こうさこうごう）

交叉咬合（こうさこうごう）の特徴や、悪影響があるのかどうか、治療方法などについてまとめています。

交叉咬合（こうさこうごう）とは

正常な咬合は、上顎が下顎を覆うように均等に噛み合っていて、上の歯列全体が下の歯列よりもやや外側に出ている状態ですが、交叉咬合（こうさこうごう）は、すれ違い咬合やクロスバイトとも呼ばれていて、上下の歯を噛み合わせた時に上下の歯列がどこかで交叉している噛み合わせのことを指します。例えば、上顎の右側の奥歯は、下顎の奥歯のやや外側に位置しているのに対して、左側の奥歯では右側とは反対に、歯列の途中で上と下の歯の咬み合わせの位置が交叉してしまい、上の奥歯が下の歯の内側に咬み合わされている、というケースなどがあります。

交叉咬合（こうさこうごう）の原因

交叉咬合（こうさこうごう）の原因は主に、上下の顎の形や歯列弓（歯並びの湾曲）のずれ、日常の癖、偏った食事などによる咬む刺激の不足の三つが挙げられます。上下の顎の形や歯列弓（歯並びの湾曲）のずれにより、上下の顎にずれがあるために咬み合わせが悪くなり、交叉咬合を招いてしまう症状のこと。また、頬づえをつくと顎にかかる力のバランスが悪くなり、顎の成長に悪影響を与えてしまいますし、口呼吸などをする癖がある場合も、通常の舌の定位置を乱し、顎の変形を招く原因になります。咬む力がバランスよく顎にかかることで上下の顎がバランスよく成長していくのですが、偏食などによって噛む刺激が不足すると、上下左右の顎が同じように成長しなくなることがあり。交叉咬合（こうさこうごう）の原因になります。顎の正しい成長は、正しい歯並びをつくるためにはとても大切なものですので、顎の成長過程にある子供の頃から、周囲がしっかりと注意しましょう。

交叉咬合（こうさこうごう）による悪影響

交叉咬合（こうさこうごう）は咬み合わせが悪いので、正しく咀嚼することができず、咬む力が顎に均等に伝わらないため、顎の発達にも支障をきたしてしまいます。そうすることによって、顎関節症を引き起こす原因にもなりますし、頭痛や肩こり、腰痛などを招いてしまう可能性もあります。顎関節症は、口が開かなかったり、口を開閉する時に顎がカクカク鳴るなどが起こり、顎関節周辺に起こる症状の総称です。また、上下の歯並びの中心が合わないことが多く、ほとんどの人が見た目が気になっているのも大きな悪影響ですので、早めの治療を心がけましょう。

交叉咬合（こうさこうごう）の治療方法

子供の交叉咬合で悩んでいる人には、小児矯正がおすすめです。小児矯正は、子供の顎の成長を利用して、一人一人の子供の永久歯の大きさに合った、理想の顎骨の大きさと、さらに良好な上下の顎のバランスへと成長を促しますので、上下の顎の幅が合うようになり、交叉咬合を治療できます。また、成長による下顎の偏りも予防します。

成長を利用した小児矯正では、上下の顎の成長のピークを知ることがとても重要。成長には個人差がありますので、まずは「実際の年齢＝歴年齢」と、「骨格的な顎の成長の年齢＝骨年齢」を把握する必要があります。その方法として簡単で有効なのが、手のレントゲンを参考にして、矯正治療の時期とタイミング、さらにどんな装置が適切かどうかを考慮することです。手全体のレントゲンを撮影し、主に中指の関節と親指の骨、手首の骨の分析を行い、成長期の子供の骨年齢を調べます。そして、暦年齢と比較して、成長のスパート時期を推測するとともに、下顎の成長が終了する時期を予測して、小児矯正の終了時期や、本格矯正の治療予測・計画を立てるためにも有効な手段なのです。適正なスタート時期を逃してしまった10代の子供の場合は、顎の成長がまだ残っている際の成長を利用する治療、小児矯正ができるかどうかを、手のレントゲンを撮って検査します。

また、大人の交叉咬合の場合は、すでに顎が成長しきっているため、本格矯正が必要です。検査・診断を行って、永久歯の抜歯が必要かどうかを判断し、治療方法を検討します。

最も重要なことは、子供の成長期のスパートが起きる前から小児矯正を開始し、上下の顎の幅を合わせて、下顎の成長が終了するまで経過観察を継続するということ。経過観察を終えたら、大人の歯である永久歯を抜かずに、本格的な矯正が必要かどうかを再度検討します。成長によって得た顎の大きさと良好なバランスは、歯だけの矯正するのではないため、悪い状態に戻ってしまうことが起きづらいのが特徴です。

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