子どもの矯正治療

子どものうちに矯正治療をしておくと、健全な顎の発達が促せ、顔のバランスが良くなります。しかし、期間は長期。ここでは子どもの矯正治療において、どのようなタイミングで何をおこなうのか、メリットとデメリット、費用について紹介します。

子どもができる矯正治療

子どもの矯正治療には、1期治療と2期治療があります。子どもは成長するので、成長に合わせた矯正治療が必要です。それぞれの治療内容について紹介します。

1期治療

３歳ごろから小学校高学年くらいまでの治療です。乳歯と永久歯が入り混じって生えている時期でもあります。1期治療の目的は、「永久歯を正しい位置に誘導する」「顎の正しい成長を促進する」というもの。歯の全体にワイヤーを使って歯並びを整えるような治療はあまりおこなわれません。将来、理想的な歯並びになるよう土台と整える治療です。簡単な装置を使用して、2期治療の準備をおこないます。

2期治療

中学生や高校生におこなう治療です。全ての歯が永久歯に生え変わり、骨や顎の成長が止まっているので、歯並びを改善し、上下の歯の噛み合わせや凸凹を整えます。全体的にワイヤーの矯正装置をつける本格的な矯正治療です。

子どもの矯正治療におけるメリット

子どものうちに矯正治療をしておくとさまざまなメリットがあります。大きなメリットを3つ紹介しますので参考にしてください。

大人になって矯正治療が楽になる

歯が生え変わる時期に生えてくる方向を整えておくと、大人になって矯正しなくて良い可能性があります。また、大人になると手術をしなければいけないような「反対咬合」でも、子どもの頃に正しい顎の成長を促しておけば、手術する必要がなくなる可能性もあります。成長が固まる前に良い状態に誘導できるので、大人になって気になることが出たときにはじめて矯正するより、ずっと楽になるでしょう。

顔のバランスを整える

子どもの矯正治療は、顎の成長を助けます。例えば、下の歯が前に出てしまうと、上の顎が成長できません。そのため、受け口がひどくなる可能性があります。矯正治療で顎の正しい成長を促すことで、顔のバランスを整えられることも大きなメリットです。

将来的な虫歯のリスクが減る

矯正治療をして歯並びが整うと、歯磨きなどのお手入れがしやすくなります。将来の虫歯や歯周病のリスクが軽減。歯の健康寿命を延ばせるでしょう。

子どもの矯正治療におけるデメリット

子どもの矯正治療は、メリットだけではありません。ここではデメリットを紹介します。

治療期間が長くなる

幼い頃から1期治療を始めた場合、矯正治療期間は長くなる可能性があります。その間、クリニックに通わなければいけません。子どもにはストレスになる可能性も考えられます。顎が健全に成長するように継続的に治療する場合には、大人になってから矯正するより長くなるでしょう。

虫歯になるリスクがある

矯正装置をつける場合、装置と歯の間が磨きづらいです。矯正完了後は虫歯リスクを軽減しますが、矯正中はしっかりとお手入れできないと虫歯になるリスクがあります。

子どもには負担

子どもの矯正は、固定する矯正装置を使う期間もありますが、取り外せる装置を使うこともあります。取り外せる装置だと、子どもはつい外したくなりがちです。装着時間を守らないと狙った効果を得られません。歯に何か取り付けている状態にストレスを感じる子どももいるでしょう。子どもの矯正治療には、子ども自身の協力が必要。子どもによっては強い負担になる可能性があります。

矯正をはじめる時期

1期治療は6～8歳にスタートすると良いでしょう。特に、受け口はこの時期に始めるのがおすすめです。上顎の成長時期に合わせて健全な顎の成長を促進できます。ガタガタと生えている歯や出歯などは8歳〜10歳ぐらいで開始すると良いでしょう。下顎の成長がこの時期です。2期治療は中学生になって、歯や顎の成長が止まってからスタートします。

治療期間

子供の矯正は、ずっと継続して治療しているわけではありません。1期治療では治療期間は1～2年です。1～2か月に1回、通院します。この時期は、「上下の顎のバランスを整える」「歯が並ぶスペースを作る」のが目的です。目的が達成されたら、経過観察に切り替わり、3～6ヶ月に1回通院します。

2期治療では治療期間が約2年、通院は1か月に1回程度です。全体的なワイヤーの矯正装置を使う本格的な治療です。

費用

治療前は、初診相談・カウンセリング料や精密検査・診断料がかかります。費用は、検査内容によりますが、55,000円ほどかかるかもしれません。

1期治療では、床矯正装置やマウスピース型装置、拡大装置などを使い分けます。費用相場は、約10～50万円。1期治療後の保定期間は、装置代金が無料〜約6万円、保定観察料で無料〜1回約5,000円かかります。

2期治療の費用相場は約20～100万円です。大人と同じで、ワイヤー矯正やマウスピース矯正をするので、矯正装置の費用がかかります。調整料・処置料は無料〜１回約1万円をみておきましょう。2期治療後の保定装置代金は、無料〜約8万円が相場。また、保定観察料で無料〜1回約6,000円程度かかるでしょう。

子どもの矯正治療の注意点

子どもの矯正治療は、口の中の違和感でストレスになる可能性があります。装着装置を勝手に外してしまうなど、使用時間を守れないこともあるでしょう。虫歯を防ぐために、丁寧な歯磨きやクリニックでのクリーニングも大切です。

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