歯並びが悪くなる生活習慣とは？

歯並びが悪くなる原因は、遺伝などの先天的な要因のほか、幼児期の生活習慣が影響していることも。いったいどんな生活習慣が子供の歯並びを悪化させるのか、具体的に紹介します。

生活習慣による歯並びへの影響

歯並びは、歯の成長や生え変わりが見られる子供の頃に決定します。特に幼少期は、生活習慣や癖によって歯並びが悪くも良くもなるのです。綺麗な歯並びを作るためにも、幼少期にどのような生活習慣や癖を直すべきか、具体的に解説します。

指しゃぶり・爪を噛む癖

指しゃぶりは歯並びを悪くする要因のひとつに数えられています。中でも親指をしゃぶる癖は最も多く、指しゃぶりの50％を占めています。指しゃぶりの癖がなかなか直らないと、歯並びに悪影響が現れ、将来的に出っ歯になったり、前歯に隙間が開いたり、咬み合わせがガタガタになるといった症状が見られることがあります。

ただし、指しゃぶりによる歯並びへの影響はアゴの骨格にまで及ぶことはありません。4～5歳までに指しゃぶりが直れば、たとえ歯並びが悪くなっていたとしても、それが軽い症状なら自然に治癒すると言われています。5歳までに子供の指しゃぶりが直らない場合は、6割強という割合で歯並びが自然治癒することはなくなります。その場合には矯正治療を検討しましょう。

舌で前歯を押す癖・舌を出す癖

幼児の頃から舌で前歯を押す癖や、舌を出す癖があると、出っ歯など歯並びへの悪影響につながります。これは「舌突出癖（ぜつとっしゅつへき）」と呼ばれ、舌癖のひとつです。幼児の唇をめくってみたとき、何もしていないのに歯の間から舌が見えている……と言った状態が見られると、それは舌癖かもしれません。こうした舌癖は乳児期から起こる場合があり、その原因はさまざま。母乳が短期間で人工乳首に切り替わった場合、離乳食が早すぎた場合、歯が抜けた影響、指しゃぶりで前歯に隙間ができ、それを舌で埋めようとしている場合など。舌癖を直す方法はいくつかあるので、気になる場合は歯科医に相談してみましょう。

頬杖をつく

人間の頭は約5kgあります。頬杖をつくと、この重さがアゴや歯に力となって加わります。その力は強く、習慣的に繰り返していると歯並びを変えるほど。噛み合わせが悪くなる原因となるため、もしも子供に頬杖の癖が見られる場合は注意して改善させましょう。

姿勢が悪い・猫背

猫背だと出っ歯になりやすいと言われています。姿勢が悪かったり猫背になっていると、背中は丸まり、前かがみになります。顔も自然と下を向くことから口元が緩み、口が開けっ放しになることも。口がずっと開いている状態だと、歯をしっかりと支えられません。子供の場合は前歯の生える方向が変わるなどし、出っ歯になるリスクが高まってしまいます。

固い食べ物を食べない

近年、柔らかい食べ物の多い食卓が増え、子供のアゴが小さくなってきていると言われています。アゴが小さいと歯の生えてくる位置にも悪影響を与えることに。その結果、歯並びが悪くなることになります。

逆に硬い物を食べるとアゴが発達し、そのアゴに合わせて歯も綺麗に生えやすくなります。だからと言って硬い物ばかり食べさせると、今度は歯に負担がかかってしまい、逆に歯並びを崩してしまいます。食事はバランスを重視し、色々なものを食べるように心掛けましょう。

歯並びを悪化させないためには

子供の歯並びを綺麗にするためには、上記のように、指しゃぶり・舌癖・頬杖・姿勢などをきちんと改善する必要があります。食べ物も、子供の好きなメニューばかりではなく、根菜やタコやイカなど噛みごたえのある素材を工夫して食べさせる必要があります。

また、虫歯も歯並びを悪化させる原因となるので、しっかりとしたブラッシングの習慣もとても大切。「乳歯は生え変わるから虫歯になっても平気では？」と考える方もいますが、これは間違いです。乳歯が虫歯になると舌癖の原因になったり、本来、生え変わるタイミングではないときに乳歯が抜けてしまい、永久歯の生えるスペースに影響を与えるなど歯並びが悪くなります。甘い物や飲み物は適度に与え、子供が歯磨きする際は、親が仕上げ磨き行うなど、虫歯をしっかり予防しましょう。

まとめ

歯並びは、子供の頃の生活習慣に大きく影響されます。歯並びが悪いと出っ歯やすきっ歯になりやすいだけでなく、きちんと歯磨きしづらい場合もあり、虫歯や歯周病の原因となることも。今後の歯の健康のためにも、子供のうちからしっかりと歯磨きの習慣を身に着け、歯並びに悪影響を与える癖は早めに直すようにしましょう。自力での解決が難しいときには、歯科医への相談がおすすめです。

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