矯正装置の正しいお手入れ方法とは

矯正装置のお手入れ方法は、種類によって違いがあります。ただ何となく行っていては、せっかくの矯正に影響を与えてしまうかもしれません。さらに、ここでは矯正装置の洗浄やブラッシングだけでなく、矯正治療後に歯を安定させる保定装置・リテーナーのお手入れについても説明します。

取り外し式矯正装置の手入れ

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、歯並びのガイドとなる透明マウスピースを用い、少しずつ歯を動かしていく治療法です。このマウスピースは歯並びの上からぴったりとかぶせるタイプ。1日1回取り外し、綺麗に洗浄することを基本としています。

ただし、現在マウスピース矯正にはインビザラインを始めとするたくさんの種類があります。マウスピースによっては水やぬるま湯で洗い流すだけで洗浄が完了するものも。

また、普段使っている歯ブラシでブラッシングするタイプや、専用の洗浄剤を用いるマウスピースもあります。種類ごとに洗浄の仕方も異なるため、マウスピース矯正を行っている際は歯科医の指導にきちんと従うようにしましょう。

こう聞くと、中には手入れがちょっと面倒に思える人もいるかもしれませんが、そこまで神経質に考える必要はありません。 なぜなら、マウスピースによって少しずつ歯を動かし、矯正を行っているため、約半月ごとに新しい物に交換しなければならないからです。ずっと同じ物を使い続けるわけではありませんが、洗浄を怠っていると虫歯や口臭の原因になりかねないので、自分の歯と同じような感覚でお手入れするのがいいのではないでしょうか。

取り外し式リテーナー

ベックタイプ・ホーレータイプ

ベッグタイプとホーレータイプのリテーナーは広く使用されています。ベッグタイプはワイヤーで歯全体を固定して締めつけるリテーナー。ホーレータイプは同様に前歯に装着するものです。

お手入れ方法は歯科医ごとに指導が異なり、水やお湯で洗う場合、専用の洗浄剤を使う場合などさまざまです。歯ブラシを使う場合もありますが、それだとリテーナーが傷つき、そこから細菌が繁殖しやすくなると言う歯科医もいます。矯正後の歯の状態も関係しているため、歯科医の指導に沿って対応しましょう。

マウスピースタイプのリテーナー

リテーナーにもマウスピースタイプの物があります。これは、その透明な見た目からクリアリテーナーやインビジブルリテーナーと呼ばれたり、素材が柔らかい樹脂のためソフトリテーナーとも言われています。ベックタイプやホーレータイプと同様に、こちら1日1回取り外し、洗浄して使用します。

水洗いやぬるま湯での洗浄。歯ブラシや専用の洗浄剤を使った洗浄など、やはり色々な方法があるので、医師との相談が必要です。

取り外せない矯正装置の手入れ

表側矯正（ブランケット矯正）

歯の矯正と聞き、最もイメージされるのがブランケットを用いた表側矯正です。ブランケットと呼ばれる小さなボタン状の装置を歯の表面に接着し、そこにワイヤーを通し、少しずつ歯を移動させていきます

ブランケット矯正は自分で取り外すことができないため、歯磨きは普段より念入りに行わなければなりません。普段と同じ歯ブラシを使う場合もあれば、電動歯ブラシ、矯正専用のブラシを使用することも。

裏側矯正（ブランケット矯正）

裏側矯正はブランケットを歯の表ではなく裏側に取り付け、目立ちにくくした治療法です。表側矯正と同様に装置の取り外しはできません。

さらに、歯の裏側にブランケットやワイヤーが取り付けられているため、表側矯正よりも歯磨きはしづらくなります。普段使っている歯ブラシだとどうしても綺麗に磨けない場所も出てきてしまいます。そこで、裏側矯正のお手入れには、「ワンタフトブラシ」という毛先のコンパクトな歯ブラシが使われることもあります。矯正の専用歯ブラシや専用デンタルフロスが使用されることも。

固定式リテーナー

固定式リテーナーにはフィックスリテーナーがあります。フィックスリテーナーは、歯の裏面の形状に合わせワイヤーで歯を保定し、矯正後の後戻りを防ぎます。装着する期間は人によって差が見られますが、一般的には矯正期間と同様の1年～3年ほどは保定を行います。その間、自分で外すことはできません。しっかりと保定を行い、矯正の効果を維持する反面、磨きにくい歯の裏側にあることから丁寧にお手入れをしていないと虫歯や歯周病のリスクと伴います。専用の歯ブラシやワンタフトブラシを使い、徹底したブラッシングを心掛けましょう

また、定期的に歯科医でクリーニングをしてもらうのがおすすめです。

まとめ

取り外しができるタイプと、取り外しができないタイプとでは、矯正装置でもリテーナーでも、お手入れの仕方がだいぶ違うことがわかります。

お手入れにおいても大切なのは、自己判断しないこと。歯磨きや洗浄でわからないことや不安なことがあれば、遠慮せず歯科医に相談しましょう。定期的にメンテナンスに通うのも有効です。

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