インビザラインの流れ

治療中だとバレにくく、痛みも少ないインビザライン。治療はどのように進んでいくのでしょうか。カウンセリングや検査、矯正装置の着用などは他の矯正方法と同じですが、検査内容や矯正装置の作製の過程が特徴的。インビザラインの流れをまとめました。

インビザラインの流れ

インビザラインの矯正方法を流れに沿って紹介します。

カウンセリング・検査

矯正治療はどの方法でも、カウンセリングと検査からスタートします。歯並びや噛み合わせに関する悩みや治療に求めること、歯を削ったり抜いたりする治療方法への抵抗感などをヒアリングされるでしょう。費用や通院回数など、不安なことがあれば、しっかり伝えてください。初回は、問診票への記入もあります。

問診後、口腔内写真・レントゲン撮影などの検査がおこなわれます。顎や頭部全体のデータを取るために精密検査も実施。ここで採取されたデータや資料を元に、治療計画や矯正シミュレーションが作成されます。インビザラインが適用できそうであれば、治療方法について理解できるまで聞きましょう。

型採り

カウンセリングと精密検査が終わり、インビザラインで矯正すると決まったら、3D光学スキャナー「iTero」を使って口腔内を撮影。型採りします。iTeroの撮影は、歯の形状・歯列の状態をデータとして取得することが目的です。iTeroでの撮影は、従来の歯型どりとは異なり、時間が短く、ストレスもありません。

3Dモデルの作成

ここまでで、治療のシミュレーション用立体画像「3Dモデル」を作成する準備が整いました。あとは、クリニックがインビザラインの開発元である米国のアライン・テクノロジー社に資料を送付します。送付するのは、iTeroで取得したデータや、精密検査で撮影したレントゲンや口腔内写真です。

アライン・テクノロジー社では、これらの資料を元に口の状態を再現した3Dモデルが作製されます。そして、担当の歯科医師にデータが送信されます。欧米人を基準にしたモデルなので、このままでは日本人に合いません。患者に合わせて医師が修正を加え、3Dモデルが完成します。

シミュレーション・治療計画作成

完成した3Dモデルを元に、歯の移動のシミュレーションを行ないます。一人ひとりの患者に最適な治療計画を立てるためにとても重要な行程です。

出来上がったシミュレーションを、治療計画の説明を受けながら見ます。インビザラインは、この時点で、治療期間も分かるのが特徴。治療後の仕上がりもシミュレーションで確認ができます。終了時期とイメージがしっかり分かるので、矯正期間中のモチベーションも維持できるでしょう。

アライナーの作製

治療計画と仕上がりに納得できたら、アライナーと言われるマウスピース型矯正装置の作製に入ります。

最初から最後までに使うアライナーを全て最初に作製するのもインビザラインの特徴です。アライン・テクノロジー社で治療完了までに必要なアライナーが作製され、クリニックに送られます。

型採りからアライナーが届くまで、約1ヵ月を考えておくと良いでしょう。

治療スタート

アライナーがクリニックに到着したら、アライナーの装着をおこないます。

インビザラインのアライナーは、自分で取り外しができるので、まずは練習です。クリニックで取り外しの方法やお手入れの仕方をしっかりマスターしましょう。食事と歯磨きのときは外します。また、歯を移動させるため、段階的にアライナーを付け替えますが、この付け替えも自分でおこなわなければいけません。

取り外しをマスターしたら、アライナーを装着して、治療がスタートします。食事と歯磨き以外は、寝るときも外さず、一日中装着してください。

定期健診

インビザラインは、通院回数が少なく、忙しい人にも取り組みやすい矯正治療です。通院ペースは、およそ2～3ヵ月に1度。最初は1ヶ月後に来るよう言われるかもしれません。

通院時は、定期健診がおこなわれます。アライナーの適合性や歯並びの状態、口の健康状態などをチェック。次の段階のアライナーを受け取ります。

治療が進み、いよいよ最後のアライナー。最後のアライナーを装着時は、噛み合わせの確認と治療前のシミュレーションと実際の仕上がりをチェックします。問題なく進んでいれば、最後のアライナーを装着し、1～2ヶ月ほどで治療完了です。

最後のアライナー装着時のチェックで微調整が必要になったら、新しく歯型を取り、追加のアライナー作製がおこなわれます。

保定

治療が完了しても、矯正は終了ではありません。矯正した歯は、そのまま何もしないでいると後戻りしてしまいます。歯並びを安定させるために、保定期間が必要です。保定期間は、リテーナーという保定装置を装着する必要があります。

リテーナーは、歯を動かすものではないので、痛みはありません。マウスピース型や歯の裏側にワイヤーをつけるタイプのものがあり、歯の状態に合わせて選びます。

保定期間は、歯の移動にかかった期間とほぼ同じ。歯の状態や動かす範囲によって違いますが、一般的には2年～2年半くらいを考えておくと良いでしょう。歯が安定してきたら、徐々にリテーナーを装着する時間を減らし、最終的に装着しなくてよくなります。

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